アトランティスの叡智 ② バランスと引力の法則

今回は、バランスと引力の法則について解説していこうと思います。

2.バランス

自然で健康で美しいもの、そして快楽は、【過不足のない・バランスのとれる瞬間】に現象化されるものです。

言い換えれば【過剰を排し、不足を補う】瞬間です。


・栄養不足(空腹・食べたい時)に食べる時
・睡眠不足(眠たい時)に寝る時
・食べることで蓄積した過剰なエネルギーを運動によって放出する時
・射精 etc.


肉体を持って生きるというのは、その補給と放出のダイナミック(動的)な安定でしかありません。
心身は常に『~したい』というサイン・声を発しています。
その声にきちんと耳を傾け、行動した結果、過不足のない健康的な体や調子が手に入ります。
『~たい』時に我慢することを続けると、心身はバランスを失い病気となって現れます。

『~したい』ことをしてはいけないことだと思うその恥や罪悪感は、あなたによって内側から創り出されたものです。
あなたがそれを理解して手放そうと決めた時、不自然な世界の習慣は静かに消えていくでしょう。

3.引力の法則

ゲリーは『この世界で唯一の法則は引力の法則』で『すべての道はローマに通ずる』と言います。

この世界のあらゆる動きはつきつめていけば、すべて引力の法則で表すことができます。

引力=衝動=恋 ともいえます。

空気が高気圧から低気圧に流れ込む現象を、風といいますが、見方を変えるとその動きは、低気圧が高気圧を引き付ける、高気圧の低気圧へ向かう衝動ともいえます。

波は、動きのない凪・静止・平衡へ向かって引き付けられ、バランスへ向かう、引力ということもできます。

エントロピー増大の法則の終結点である静止は、人間の肉体にとってはエネルギーを外に放出し続ける死を意味しますが、人間のダイナミックなバランスは、『~したい』という引力や衝動の欲を使って、それに逆らい生きようとする意思を示します。

3.ヨガ

ヨガの本質は、『体が勝手に動くままにまかせる』ということです。

意識せずにする体の動き、

・寝返りをうつ
・姿勢を変える
・肩を揉む
・幼児の衝動的な動きや変なかっこう etc.

はすべてヨガといえます。
さらにいうなら、日常の中でなにげなくしてしまう行動はすべてヨガともいえます。

それは『~したい』という無意識の衝動を使って、過剰なエネルギーを放出し運動不足を解消したり、凝り固まった体を柔らかくしてバランスを整えたり、睡眠不足や空腹を満たしたりする、バランスへ向かう自動調整機能・自然治癒力ともいえます。

その【自然にまかせる・委ねる】という考え方はあらゆる宗教や思想のなかにあります。

・イスラームは『すべてを神にゆだねる(全託する)』ことを意味し、
・キリストは『明日を思い煩わず、いっさいを神に委ねなさい』と言います。
・老子のいう『無為自然』であり、
・禅の『無我の境地』です。

4.恋

恋や好奇心や憧れは、引力ともいえます。
そして愛や慈悲の衝動もまた引力といえます。

そこには自分の意識をより拡大し、自身や世界をそのバランスのとれた完成形へと近づけようとする、世界の意図があるのです。

小さきものや、貧しきものにエネルギーや知を注ぎ、シェアし、育み、分かち合おうとさせる世界の陰謀があるのです。

それを宗教家は神の愛と表現します。

すべての心と身体の動き=引力=衝動=恋には、意味があります。
そしてその自然な動き=衝動に従うことは、自身を信じ愛することであり、他者と分かち合うことであり、世界を信じることであり、神を信じることです。


ゲリーは本書をこう締めくくります。

私たちは瞬間、瞬間から最高の喜び(JOY)を得るためにここにいるのです。
私たちは見ることで、この世界に叡智をもたらすためにここに来ています。
私たちは神秘の中にいて、その謎が解かれていくのを見るためにここにいます。
私たちはお互いに大いなる叡智への目覚めに向かい助け合うためにここにいます。
生命を、その最高の豊かさを観察するために。

と、今回はそんなお話でした。

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